積みゲー不安:ゲームを持ちすぎると楽しくなくなる理由(と解消法)
Steamのライブラリ、PS5のホーム画面、あるいはリビングで埃をかぶっているパッケージの山。それを開いても、「何を遊ぼう」とワクワクするどころか、なんとなく気が重くなる。そんな経験はありませんか?100本を超える未プレイのゲームがこっちを見つめてくる。選び放題のビュッフェというより、大幅に遅れている宿題の山みたいに感じてしまう。結局ライブラリを閉じて、もう10周もクリアしたゲームを始めるか、何も遊ばずに終わる。
心当たりがあっても、あなたがおかしいわけでも、一人だけでもありません。ゲーム好きの間ではとてもよくある感覚で、「積みゲー不安」(バックログ不安)なんて呼ばれることもあります。まずはこの気持ちを正直に認めて、どこから来るのかを理解して、そしてなにより、どうやって軽くするかを考えてみましょう。
よく考えると不思議な悩みです。いい本をたくさん持っていることや、プレイリストに曲が多すぎることで不安になる人はいませんよね。でもゲームは1曲より遥かに多くの時間を要求するので、積んでおく期間が長いほど山が重く感じられます。ただ、朗報があります。本当の問題は山そのものではなく、その山について自分に言い聞かせているストーリーのほう。ストーリーなら書き換えられます。
まずはこの気持ちを正直に認めよう
積みゲー不安はひとつの感情ではありません。いくつかの形が重なって現れるので、感じている人の多くは、次のうち2〜3個は当てはまるはずです。
- ワクワクではなく憂うつ。 ライブラリを開くのはメニューを開くようなものなのに、返信していないメールだらけの受信箱を開く気分になる。
- 回避。 見ると落ち込むからライブラリ自体を見なくなり、ゲームの代わりにドラマを見返したりスマホをダラダラ眺めたりする。
- 「宿題」感。 買ったときはあんなに楽しみだったのに、今では「遅れている」義務のように感じる。まるでシラバスがあって、締め切りを逃したかのように。
- お金への罪悪感。 我慢できずにセールで買ったゲームも多く、未プレイのタイトルを見るたびに、無駄遣いをそっと思い出させられる。
- 決められない症候群。 選択肢が多すぎて、何を選んでも外れな気がして、結局何も選べない。
これは本当はゲームの問題ではありません。あなたと積みゲーの山との関係の問題で、その関係は変えられます。
積みゲー不安が起きる理由
ほぼすべての根っこにあるのが、ひとつの考え方です。一度気づくと、あちこちで目につくはず。多くのゲーマーは無意識に、積みゲーを「借金」(自分が返すべきもののリスト)として扱っていて、「メニュー」(選べる選択肢のリスト)としては見ていません。借金には期限があります。返さずにいるほど罪悪感が膨らみます。借金は完済すべきものです。
メニューはそうではありません。レストランのメニューで頼まなかった料理に罪悪感を抱く人はいませんし、メニューに対して「遅れてる」と感じる人もいません。ただそこにあって、選択肢を差し出しているだけ。どの項目にも義務はありません。まったく同じ150本の未プレイゲームでも、押しつぶされそうな借金にも、太っ腹なメニューにもなります。ゲームは変わっていません。変わるのは見方だけです。
気づかないうちに「借金」の見方に傾いてしまう習慣がいくつかあります。
比較カルチャー
誰かの「今年は127本クリア」という数字、友達の減っていく積みゲー、Steamの実績自慢。そういうものを見ると、自分の積みゲーが負け続けているスコアボードのように思えてきます。でも積みゲーの数は通知表ではありません。自由な時間も、仕事も、「クリア」の定義も、そもそもゲームを買う理由も人それぞれ。数字だけ比べてもほとんど意味はなく、楽しいはずの趣味で落ち込む最短ルートになってしまいます。
サンクコスト思考
「もう買ったんだから遊ばなきゃ」は筋が通っているように聞こえますが、まずい料理やつまらない本を最後まで我慢してしまうのと同じ罠です。お金は、遊んでも遊ばなくてももう払い済み。元を取るためだけに楽しめないゲームを続けても、購入は取り消せません。無駄なお金の上に、無駄な時間が乗るだけです。
大型セールのたびに起こりがちです。1本分の値段で6本ゲットして、「いつか全部遊ぶ」つもりでいる。すると、そのひとつひとつに小さな借金タグがずっとついてしまう。安く買ったのは、気楽に構えるためだったはずなのに。お得な買い物は気分がいいはずで、見えないToDoリストに6件追加されるものではありません。
決断麻痺
ライブラリのどのゲームも「今夜これを遊ぶ候補」になると、選択肢の多さのせいで、ライブラリ全体が自由ではなくプレッシャーに感じられます。スーパーの棚から配信サービスのカタログまで、人間が一度に多すぎる選択肢に直面するとよく起きる現象です。未プレイが100本超のライブラリは、まさにその圧倒的な棚です。
発想の転換:積みゲーはToDoリストじゃない
これを本当に解決する考え方は、聞こえるより単純です。ゲームが永遠に未プレイでも、悪いことは何も起きません。誰も採点していないし、期限もない。2019年のRPGが未プレイのまま、宇宙規模のスコアボードで「失敗」として記録される人生なんてありません。本棚の本や、ウォッチリストの映画と同じで、ただそこにあって、いつでも遊べる状態なだけです。
この比較はじっくり考える価値があります。「ToDoリスト」よりずっと実態に近いからです。本棚に罪悪感を抱く人はいません。読んでいない本が並ぶ本棚は、たいてい好奇心の表れとして見られ、個人の欠点とは見なされません。半分冗談で「積読は未来への投資」なんて言いますよね。そこには温かさがあります。あなたの積みゲーにも同じ温かさがふさわしい。片付けられずに失敗しているチェックリストではなく、気が向いたときにつまみ食いできるコレクションなんです。
この発想の転換には、一部のゲームは一生始めなくていい、途中でやめてもいいと自分に許可を出すことも含まれます。どちらも「損」だとは考えない。好みは変わるし、興味も移ります。2年前には完璧に思えたゲームが、今の気分じゃないこともある。それで全然いいんです。クリアしなくても買ったのは妥当な判断だったし、始めなくても棚にあっていい理由になります。
プレッシャーを軽くする実践テク
考え方を理解するだけでも楽になりますが、具体的な習慣があると定着しやすくなります。どれも積みゲーを消化する必要はなく、積みゲーがあることの感じ方を変えるものです。
ゲームを正式に「ドロップ」していい
なんとなくそのまま二度と起動しない、はっきりした決断のない放置は、「やりかけ」のモヤモヤを残しがちです。「これはもういいや」としっかり決めて、ドロップ(中断)にしてしまえば、宙ぶらりんの問いではなく区切りが手に入ります。小さなことに思えますが、避けているゲームと、今の自分には合わないと自分で決めたゲームとでは大きな違いがあります。意識的にこのループを閉じることが、大きな積みゲーを軽く感じさせる一番手っ取り早い方法になることも多いです。
圧倒されたら、短いゲームを1本だけ選ぶ
山全体を一度に片付ける必要はありません。何もかも多すぎると感じたら、積みゲー全体に挑まず、週末でクリアできそうな短いゲームを1本だけ選びましょう。小さなものをひとつ終わらせるほうが、リスト全体を眺め続けるよりずっとライブラリへの気持ちが変わります。きっかけが欲しいなら、今週末にクリアできる短いゲームのリストがまさにこの瞬間のために作られています。
積みゲーの数を他人と比べない
誰かの40本の積みゲーとあなたの300本の積みゲーは、同じものを測っていません。かけられる時間も、買い方のクセも、持っている理由も違うからです。数字だけでは「遅れているかどうか」なんてわかりません。レースではないし、越えるべきゴールラインもないんです。
漠然とした不安より、実際の数字を見る
「ゲームを持ちすぎてる」というぼんやりした形のない感覚は、実態を知るより悪いことがよくあります。無料の積みゲーチェックを使えば、抽象的な山が、実際のプレイ時間つきの具体的なリストになります。具体的なリストは、漠然と埋もれている感覚よりずっと怖くありません。具体的になれば管理できる。管理できれば、不安ではなく計画になります。
その場の気分をなだめるだけでなく、長期的に整理しておく仕組みが知りたいなら、手に負えなくなった積みゲーを管理するガイドで仕組み作りの面を紹介しています。それに、今夜の悩みが「いい選択肢が多すぎて決められない」だけなら、迷わず次に遊ぶゲームを決める簡単な方法をどうぞ。
積みゲーは失敗じゃなく、豊かさの証
少し引いて見てみましょう。積みゲーが多いということは、一人では物理的に遊びきれないほどの良作に手が届く環境にいて、セールで気軽に買えるほど安くなっていて、一生かけても遊びきれないほど名作が生まれ続けている趣味の中にいる、ということです。それは嬉しい悩みです。他の趣味の人なら大喜びするような悩みでしょう。
未プレイのゲームが100本あっても、あなたの悪口にはなりません。むしろ、センスがよくて、お得なセールをちゃんと活用していて、上質なエンタメが山ほど手頃に手に入る時代を生きている、ということ。失敗なのは積みゲーではなく、「見えない期限までに片付けなければ」という考えのほう。そしてその考えは、そもそも最初から事実ではなかったんです。
それぞれのゲームとの関係は時間とともに変わるもので、それでいいんだ、ということも覚えておきましょう。去年は気分じゃなかったゲームが、来年の冬にはぴったりかもしれない。始めてドロップしたゲームが、今は想像もつかない理由で、18か月後にまたハマるかもしれない。その間、遅れていると感じる必要はありません。準備ができたときには、積みゲーは辛抱強くそこで待っています。一部のゲームには一生準備ができなくても、同じように待ってくれています。
「積みゲー」という考え方がどこから来たのか、他のゲーマーがどう捉えているのか気になるなら、積みゲー(バックログ)とは何かを解説した完全ガイドが良い副読本になります。でも要点、そしてここから持ち帰ってほしいことはシンプルです。積みゲーは借金ではなく、メニューです。おいしそうなものがあれば、いつでも注文すればいい。残りは気にせずスルーしましょう。